鰻への畏敬


毎朝

信頼のおける

問屋から届く

鮮度抜群の活鰻

 

その一尾一尾に

職人は深い敬意を

払い向き合う

 

串打ち3年

割き8年

そして焼きは一生

 

備長炭の炎に委ねられた鰻は

繊細さと荒々しさを同時に纏い

炭火と共にその命が昇華される

 

七十年もの時を重ねて

継ぎ足されてきた

相伝のタレに抱かれ

香ばしく

柔らかく仕上がる姿は

まさに職人と鰻との対話。

 

燻し燻され

日々の営みの中で

焼き上げられる

一生の技がここにある